Insta&FB更新【被爆十字架物語〜エース田中のカトリック木工職人への道!】
2020年10月13日
お知らせ

ここ数日、すっきりとしたとてもいいお天気が続いています。こちらは昨日、SNS担当の私が約1ヶ月ぶりに伺いましたカトリック浦上教会。天主堂の煉瓦色が青空にくっきりと映えて綺麗でした。

聖堂を入ると左手に安置されているのが、以前ご紹介した『被爆マリア像』のレプリカ。そしてマリア像の左脇にありますのは2019年8月7日に米国オハイオ州のウィルミントン大学平和資料センターから浦上教会へ返還された『被爆十字架』のレプリカです。マリア像も十字架も、実物は被爆マリア小聖堂に安置されています。


この被爆十字架は原爆で倒壊した旧浦上天主堂内にあったとみられ、高さ約1メートル、横幅約30センチの木製。終戦の年の秋頃、長崎に進駐していた米兵、ウォルター・フック氏が当時の山口愛次郎長崎司教様と親交があり、浦上天主堂のがれきの中からともにこの十字架を発見して司教様より譲り受け、ニューヨークへと持ち帰っていたそうです。74年の時を経て昨年8月に浦上天主堂へと返還され、同月9日夜の平和祈願ミサで奉納・披露され、話題となりました。

実は、この被爆十字架のレプリカを今年作製しましたのが、以前こちらでも紹介させていただいた弊社のエース田中でございます!

という訳で急遽かつ久々に『エース田中のカトリック木工職人への道! 〜被爆十字架レプリカ編〜』はじまりはじまり〜( ´∀`)

それは、今年6月24日の出来事。
浦上教会の久志主任神父様がひょっこり栄光式典社にお見えになり、被爆十字架のレプリカを2本作れないだろうかと会長に相談されたのです。かつてあの被爆マリア像を修復した弊社会長の腕を見込まれてのことだと思うのですが、会長も高齢で一線を退き今や後進の指導に専念しているため、エース田中の出番と相成りました!

とは言え、普段手掛けている香台や祭壇などとは違い、レプリカですからとにかく本物そっくりに作らないといけない訳です(汗)しかも2本も…(大汗)

しかし何故2本?
久志神父様曰く、『本物は一般の人が立ち入りできない被爆マリア小聖堂に安置されているので、レプリカの1本は浦上天主堂にいらっしゃる観光客や市民の皆様に広く見ていただくための展示用。そしてもう1本は寄贈してくれたアメリカの大学へお礼にプレゼントしたい!』

…なんという熱い思い。そして俺が作ったレプリカが平和への思いを込めて長崎から海を超えアメリカに行くなんて!これはもうやったことのないジャンルでもやるしかなかとです!長崎浦上のカトリック信者として!!

かくして本物の被爆十字架を神父様よりお預かりし、エース田中の試行錯誤の日々が始まりました。久志神父様のご意向では、1ヶ月半後の8月9日のごミサで信者の皆さんにご披露したいとのこと。また、十字架のレプリカ2本と併せ、被爆マリア小聖堂へ本物の被爆十字架を展示する専用の台もご依頼をいただきました。



エース田中曰く、長崎の、いえ日本の歴史の証人である被爆十字架のレプリカ作りでは、本物そっくりのダメージ感で着色するのがとても難しかったそうです→普段は綺麗に色を付けるのが仕事ですからね!(ごもっとも!)

そして本物展示用の台は少し高さを付けて作っていたエース田中。久志神父様から、この十字架がかつて天主堂のマリア像の天蓋の上に立てられていたもののようだとお聞きし、『昔と同じように十字架をみんなが見上げるようにしたくて台を少し高くしてみた』とのこと→なるほど、私はそこまで想い及びませんでした。(ちょっと尊敬!)

葬儀の仕事も並行しながらの作業でしたが、何とか8月9日のごミサ前日までに完成し納品させていただきました。

実はこの記事は、久志神父様がアメリカにレプリカを持参し直接ウィルミントン大学へお渡ししたいとお聞きしていたので、その日まで温めておくつもりでしたが、コロナ禍がいつ終わるのか全く見通しが立たないため、久志神父様の許可を受けて本日掲載させていただくこととしました。

ちょうど昨日は、聖堂入口の被爆マリア像と十字架レプリカの脇に、昨年パパ様が来崎された際にお座りになった椅子が展示されていました。普段は聖堂の奥の祭壇付近にあるこの玉座ですが、一昨日行われた司祭叙階式のため一時的にこちらの聖堂入口近くに展示しているそうです。

パパ様の玉座が間近で見られるのがいつまでかははっきり分かりませんが、お近くにいらっしゃる皆様はどうぞこの機会に浦上天主堂に拝観にお越しください。エース田中の力作、被爆十字架のレプリカも併せてご覧いただければ嬉しいです( ˘͈ ᵕ ˘͈ ) ただし、田中作の十字架展示台(写真4枚目)は、被爆マリア小聖堂の中に本物の被爆十字架とともにありますので、一般の方はご覧になれません。

掲載許可をいただきました久志神父様、本当にありがとうございました。アメリカご訪問の際には、レプリカ製作者としてぜひエース田中をお供にお連れください!(道中記の掲載もよろしければ許可してほしいです。笑)

⚠️聖堂内での撮影は許可が必要です⚠️