Insta&FB更新【エース田中のカトリック木工職人への道‼~後編~】
2020年3月26日
お知らせ

今週は情熱大陸風に(笑)入社12年目の弊社社員にスポットを当て、『エース田中のカトリック木工職人への道‼』と題しまして、思いっきり手前味噌な企画を前後編に分けてお送りしています。それでは、葉加瀬太郎さんのバイオリンを脳内再生しながら後編の始まり始まり~☆

浦上教会の告解部屋

浦上教会の告解部屋

 

 

 

 

 

 

 

 

カトリック浦上教会聖堂内には天主堂と同じドーム屋根の小部屋が二つあります。告解(こっかい)を行う 通称『告解部屋』です。

告解とは、カトリック信者が日々の生活の中で自分が犯した罪を司祭に告白し、司祭を通して神様からの赦しを得るもので、『赦しの秘跡(ゆるしのひせき)』とも言われています。毎年恒例の黙想会は浦上教会でも中止となりましたが、主の復活を前に赦しの秘跡は行われています。浦上信者の皆様が赦しの秘跡を受ける『告解部屋』も、実は弊社が製作し寄贈したものです。

それは2017年春のこと。浦上教会の久志主任神父様より弊社会長がある相談を受けました。『今の告解部屋は一つの部屋の真ん中に司祭が入り両サイドから告解をする信者が順番に入室するシステムになっているが、1人ずつ入る告解部屋ができないものか…』と。栄光式典社の社員は浦上教会の信者でもあります。日頃お世話になっている教会に恩返しするいい機会だと、告解部屋の製作が決まりました。

陣頭指揮を執るのはもちろん会長。その会長から手伝ってほしいと一番最初に声をかけられたのが田中さんだったそうです。入社して初めて触れたカトリック木工も携わること早9年目を迎えた頃でした。失敗の数だけ経験を積み、3年目からようやく1人で小さな香台作りを任されるようになったものの、家具工1級免許を持つ会長からの叱咤激励・愛の鞭は数知れず。『でも、一番に声を掛けてもらえたのは少しは認めてもらえた証拠なのかな〜と嬉しかったです。』と当時を振り返る田中さん。やがて告解部屋の外観デザインが決まり、会長のアイデアで その屋根は浦上天主堂を模したドーム型に!これを見たら信者の皆さん喜ぶやろうなぁ〜ヽ(^o^)丿 会長の優しさと熱い職人魂を感じたそうです。

2017年8月頃から作業は始まり、製作はパーツごとにドーム屋根を社長、全体の飾り彫刻は専務、そして部屋本体を会長と田中さんで担当することに。新しい告解部屋はカーテン側から信者、ドアから司祭が入室するデザイン。1対1で対峙する室内は真ん中で仕切られており、互いの顔は見えません。天井にはステンドグラス風の明かり取りをつけ、告解をする信者さんが少しでも心安らぐ工夫をしたそうです。会長の熟練の技を間近で見ることのできる貴重な日々。そして半年後の2018年1月、ついに告解部屋が完成しました!

やっと終わった!長かった~!と喜んだのも束の間。『次は一人でやってみろ!』と鶴の一声。なんともう1体、しかも今度は一人で告解部屋の本体製作を会長から仰せつかった田中さん。1体目と同じく 社長が屋根、専務が飾り彫刻を担当してくれたものの、大きな本体を 会長と一緒に作った1体目と同じレベルに仕上げるのは技術的にも大変で、何よりプレッシャーとの闘いだったそうです。加えて2体目にとりかかったのは葬儀のご依頼が多い1月…。『社長は難易度の高いドーム屋根を、専務は細やかな飾り彫刻を難なくこなしていました…(泣)』先輩達が見事に仕上げた仕事を台無しにはできないという焦りの中、その冬、忙しい葬儀の合間を縫ってエース田中は1人黙々と作り続けたのでした。

2018年4月、春の訪れとともに2体目の告解部屋が完成!久志主任神父様も大変喜んでくださった二つの告解部屋は、田中さんにとってもこれまでで一番の大作となりました。そして、会長の『わが社はここ浦上の地で生まれ、信者さん達に育ててもらい、今まで存続することができた。そのご恩返しの為この告解部屋は寄贈する。』という宣言のもと、久志神父様のお支払のお申し出を丁重にお断りさせて頂き、双頭の我らが天主堂 カトリック浦上教会へと寄贈されました。

実物の告解部屋は聖堂の奥にあり浦上の信者しか見ることができないので、こうやってSNSで多くの皆様に見ていただけるのはカトリック木工職人としてとても嬉しいことです。そして、主の復活を待ちわびる四旬節の今、浦上信者の皆様が一人でも多くこの告解部屋で心軽くなってくだされば幸いです。

栄光式典社のルーツでもあるカトリック木工。その道は奥深く、これからもまだまだ続いていきます。
頑張れ、エース田中!極めよ、カトリック木工職人への道‼ 【完】

⚠️ 聖堂内での撮影は許可が必要です ⚠️

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